こころに刺さるフレーズは、いつまでもしあわせな時間を伴って、人々の楽しかった思い出とともに記憶の中に残るものかもしれません。
「スカッとさわやか、コカ・コーラ」のコピーで有名なコカ・コーラは、1886年5月8日、アメリカ合衆国の薬剤師であったジョン・ステイス・バートン(John Stith Pemberton)氏がアトランタのジェイコブズ薬局(Jacobs' Pharmacy)で飲料を提供する際に偶然発明されました。
アメリカ南北戦争(American Civil War)における南軍(CSA: Confederate States of America)の中佐であった彼は、1865年4月16日の「コロンバスの戦い(Battle of Columbus)」で負傷し、その痛みの治療のためにモルヒネを使用していたため、モルヒネ中毒になっていました。そして、その解毒のための飲み薬を開発しようとしていたのです。
その時、モルヒネを使用しない鎮痛剤として、コーラナッツとダミアナの抽出にワインを混ぜて「フレンチ・ワイン・コカ(French Wine Coca)」と名付け売り出しました。ところが、1886年の禁酒法の制定によりアルコールが使用できなくなりました。このため、本来水で割るところを誤って原液に炭酸を混ぜてしまい、それが逆においしいと評判になって、今日のコカ・コーラが誕生したのです。
実は、薬剤師がコーラをつくったのはコカ・コーラだけではありません。1893年発売のペプシコーラも薬剤師のケイレブ・デイビス・ブラットハム(Caleb Davis Bradham)氏によって、1935年発売のロイヤルクラウンコーラも同じく薬剤師のクラウド・アドキンス・ハッシャー(Claud Adkins Hatcher)氏によって、それぞれつくられたのです。
この背景を語るには、アメリカ合衆国におけるドラッグストア(薬局)における「ソーダ・ファウンテン」のシステムを説明しなければなりません。ソーダ・ファウンテンとは、シロップを水や炭酸水で割って客に提供する装置で、かつて炭酸水が薬だった時代にアメリカ合衆国のドラッグストアには必ず設置されていました。
ここで、コーラのほか、みんな大好きクリームソーダも、ドクターペッパーやルートビア、チョコレートソーダーまで。あっ、チョコレートソーダはちょっと飲みたいかも。各種の爽快な飲みものが、あるときはエナジードリンクとして、あるときはとっておきのご褒美として、清涼飲料を求める人々に提供されてきたのです。
「ファウンテン」とは「噴水」のことですから、ちいかわ的に言うと、「湧きドコロ」みたいでおもしろいですよね。このドラッグストアの担っていた役割は、現在ではコンビニにとってかわったようです。
ですから、コカ・コーラのはじまりは、当時のアメリカ合衆国ではそれほど珍しいことではありませんでした。
では、なぜコカ・コーラが今日これほどまでに世界的な規模で普及したかというと、そこには独特で画期的な戦略があったからです。
1888年にコカ・コーラを買収した実業家のアサ・グリックス・キャンドラー(Asa Griggs Candler Sr.)氏は、アルコール飲料と区別するために、コカ・コーラの入った樽を赤く塗り替えました。これによって、税関や税務当局でも区別することが可能となったのです。
この赤色は「コークレッド(Coke Red)」と呼ばれ、コカ・コーラ社のアイコンとして140年にわたり“ブランドアイデンティティ”を維持し続けてきたのです。そして、1931年の広告によって、サンタクロースの衣装の色まで決めてしまう影響を持つほどに成長したのです。
さらに、コカ・コーラ社独自のマーケティング戦略として、「ハピネス・マーケティング(Happeiness Marketeting)」があげられます。
これは、コカ・コーラを単なる飲物としてではなく、幸福を売ることとする戦略で、①ストリーディング:コカ・コーラの広告において、しばしば家族の集まりや友情、祝祭など、現実の幸せな瞬間の紹介する、②感情的なつながり:キャンペーンにおいては、愛、団結、喜びのテーマに焦点を当てて、消費者がコカ・コーラの広告を見るときに気持ち良く感じさせる、③全世界で普遍的な象徴としての印象づけ:「しあわせをオープンにしょう(Open Happiness)」や、「フィリーングを味わおう(Taste the Feeling)」といったスローガンによって、コカ・コーラが幸福の普遍的な象徴であることを強調する、というものです。
こうした戦略により、コカ・コーラを飲むといった行為は、幸福感、爽快感やポジティブ・シンギングにつながっているのです。
確かに、コカ・コーラ好きな私にとっては、コカ・コーラを飲むとしあわせな気分になります。この爽快感は最高です。どうです皆さん、前向きになれましたか?
ただひとつ残念なのは、私の好きな『相棒』で紅茶好きの杉下右京、コーヒー好きの亀山薫と角田課長、炭酸水好きの神戸尊ときて、コーラ好きは甲斐享なんですが、甲斐享が相棒唯一の犯罪者の設定なので、『相棒』の中でコーラに対して良い印象がありません。制作陣の皆さまには、この汚名を是非とも返上してほしいのです。なんとかなれーッ!!
コカ・コーラの190mL瓶(コンツアーボトル) 結局、これが一番おいしいですよね

コカ・コーラの発祥の場所 ジェィコブズ薬局

1931年のサンタクロースの登場した コカ・コーラの広告
